本作は、寺山修司が1963年「天井棧敷」結成前に書き下ろした初上演の音楽劇。
出港しない船上ホテルを舞台に繰り広げられる、父と息子と父の婚約者の甘く哀しい祝祭劇となっています。
2021/12/28
あらすじ
舞台は、戦艦の船底にある「北海岸ホテル」。
嵐で船出を先延ばしにされた怪しげな人々が集まり、かりそめのパーティーに興じている。
主人公・猛夫は一人落ち込んでいる。父、彌平の乗る船が嵐で難破し死んでしまったのだ。悲しむ猛夫のもとに、父と再婚し、義母となるはずだった魔子が現れる。
彌平の思い出を語り合う内に惹かれ合う猛夫と魔子、しかし、死んだはずの彌平が、生還したことにより、悲恋へと舵を切る。恋仇となった仲の良い親子、さらに猛夫を慕う那美と悪魔的少女そばかすの存在が、3人の恋慕を悲劇的に加速させる。そして、魔子の心は揺れるまま、彌平との結婚式を迎える。物語は、この5人を軸に、ブルースを唄う老婆や昆虫採集の少女たちなど寺山修司的な登場人物が現れ、様々な心情を唄い踊り、物哀しい祝祭劇を彩っていく。